伊勢原山王幼稚園 -神奈川県伊勢原市- 学校法人 山王学園 幼保連携型認定こども園

園のこだわり(日々の風景)

「なんだろう?」のすすめ

2021年9月15日 水曜日

 令和3年9月15日(水)

 

 皆さんは、こんな光景を見た事がありますか?

 3年前の夏、幼稚園の園庭に沢山落ちている枝を見つけ「なんだろう?」と思ったのが“ハイイロチョッキリ”を知るきっかけでした。この落ちている枝はドングリの枝。緑色のドングリがついていて切り口がスパーンと平らに切られたものでした。

 この様な枝は、次の日もまた次の日も落ちていていったい何だろう?どうしていつも落ちているのかな?と思っていたところ、テレビでも同じ光景の様子が放送されました。

 

 それは、ハイイロチョッキリというゾウの様な長い口、口吻が特徴のゾウムシのなかまの仕業だという事が分かりました。

 その長い口吻でまだドングリが柔らかく緑色のうちに、帽子の部分である殻斗に穴をあけて卵を産み、ドングリの枝を切り落とします。ドングリの中でふ化した幼虫はドングリの中で住みながらドングリを食べて大きくなります。成長した幼虫は土の中にもぐり土団子の様な部屋を作ってさなぎになります。そして、成虫になって土から出てくるのです。

 何という頭の良さ、そして子ども思いのハイイロチョッキリ!!

 ドングリがまだ柔らかいうちに穴をあけ、幼虫が安全に楽に地上に降りて成虫にするために3時間近くもかけて枝を切り落とす。その思いは人間にも通ずるものがありますね。ハイイロチョッキリは全長が9㎜程。細く見えるその枝も大枝を切る程の大変さでしょう。しかし、我が子を思えばその大変さなど苦にはならないのでしょう。小さな昆虫にも教わる事があり頭の下がる思いになりました。

 ハイイロチョッキリを知った私は、もっと知りたくなり図書館で図鑑やゾウムシの本を探しました。そしてサマーホーム中の幼稚園で、子どもたちと枝を見つけたり、本を一緒に読んだりしていました。

 

 するとある日「せんせい、これハイイロチョッキリじゃない?」と一人の男の子が小さな虫を捕まえて見せてくれました。「本当だ!」みんなで本当にゾウの様な口を見てゾウみたいだねと話したり触ったりする事が出来て興奮した事を思い出します。

 

 あの時、子どもたちに「なんだろう?」と疑問に思ったことを伝えて一緒になって本を読んで調べたことがハイイロチョッキリに出会えるきっかけになり本当に良かったなと思います。

 

 皆さんも誰かと「なんだろう?」を共有してみてください。きっとよいことが起きると思いますよ♡

 

 つぼみ組 志賀恵子