園のこだわり(日々の風景)
大切なこと
10月の下旬に年長さんのお部屋に本の読み聞かせに行きました。
本の題名は「ママがおばけになっちゃった」です。
今、ブームになっている絵本だったようで知る人ぞ知る絵本でした。
いちご組の寛子先生が「市村先生、この本知っていますか?」と教えてくれた一冊の本。
彼女は涙一杯で私に早く読んで欲しいという気持ちで渡してくれました。
読むうちに私も胸がいっぱいでした。
その時、この本を年長さんに読んであげたい!!と強く思ったのです。
簡単なあらすじはママが交通事故で亡くなり、残された4歳の息子のことが心配で、ママがおばけになってしまった…。
子どもが急に一人になったらどうなってしまうのか、親の気持ち、そして残された子供の気持ち…
当たり前の毎日は実はそうではない、子供はママの大切さを、親は子供の愛しさ大切さを、両方の気持ちに改めて気づき教えられる一冊です。
年長さんの中では何人か持っていたり、この本を知っている子もいました。
本の中には4歳の子供らしい楽しい場面、おばけになったママとのギャグのような会話に大笑いする所もあり、それがよりリアルに実生活と重なりみんな真剣に聞いてくれました。
そして…最後にやっぱりおばけのママは見えない、聞こえない、触れられない…
亡くなってしまう意味を感じ取り涙ぐむ子もいました。
私はみんなに
「今、みんながこうして笑顔でいられるのはお父さん・お母さんのおかげ。そしてみんなに言いたいのは、そんなお父さん・お母さんより長生きをすること!!
今は小さいからその意味はわからないかもしれない。でも中学・高校になると辛いことや悩みが大きくなりそこから逃げ出したくなる。
そんな時に自分の命を絶ってしまう人がいる、そんな人だけにはならないで欲しい。」
と言いました。
命の大切さ、家族がいることの幸せ、大切なことは目に見えないこともたくさんあるんだ。
ということを一冊の本を通して伝えたかったです。
子ども達と一緒に聞いてくれた4人の担任の目から涙が…
先生たちありがとう。
先生たちの表情をそっと見て涙する子もいました。
短い時間だったけど幸せな時間でした。
その日の帰り、年長さんが「市村先生、大切なこと教えてくれてありがとう。」
「市村先生本を読んでくれてありがとう。」「また来てね。」等々沢山声を掛けてくれました。
私の方こそ、みんなありがとう。寛子先生ありがとう。
このような機会をこれからも作っていきたいです。
お家の方も是非読んでみてくださいね!!
教頭 市村恵美子